ニュースの概要
Googleは2026年10月6日(現地時間)、Webブラウザー「Chrome」の安定版を155にアップデートしました。日本のメディアでは10月7日に報じられています。窓の杜の報道によると、修正された脆弱性は合計247件で、深刻度が最も高い「Critical」が4件含まれます。あわせて、JPEG XLの表示対応や、WebCryptoでの耐量子暗号の利用など、Web制作に関わる変更も入りました。
10月6日に取り上げたChrome 154(Chrome 154が安定版に、HTTP接続時の確認と新CSSを整理)に続く更新です。ここでは、窓の杜とSecurity NEXTの報道で確認できた内容を整理します。なお、Googleの公式リリースノートそのものは、今回の確認では本文を開けていません。数値はいずれも報道が伝えたものです。
何が変わるのか
報道で確認できた内容は次のとおりです。
- バージョンは155.0.8059.39と155.0.8059.40です。WindowsとMacは.39/.40、Linuxは.39が展開されると報じられています。
- セキュリティ修正は計247件です。深刻度別の内訳は、Criticalが4件、Highが53件、Mediumが122件、Lowが68件と窓の杜が伝えています。
- Criticalの4件は、いずれも解放後メモリ利用(Use After Free)の問題で、Chromecast、Browser、Navigation、Trackに関するものです。Security NEXTは、それぞれにCVE番号が付いていることも伝えています。
- 窓の杜によると、修正のうち、Claudeの支援で報告されたものが12件(Critical 2件、High 10件)、OpenAI Codex Securityによるものが2件(いずれもHigh)含まれるとされています。
機能面の変更としては、窓の杜が次を挙げています。
- JPEG XLのデコードに対応。デコーダーは、メモリ安全性の高いRustで実装されています。
- WebCryptoで耐量子暗号(ML-KEM、ML-DSA、X-Wingなど)が使えるようになりました。
- PWAが、ウィンドウの最大化・最小化・復元などを行えるようになりました。
- CSSの「symbols()」関数と「margin-trim」プロパティが追加されました。
対応OSは、Windows 10以降(Arm版はWindows 11以降)とmacOS 13 Ventura以降と伝えられています。
読者への影響
まず、Chromeを使っているすべての人に関係します。窓の杜は、Criticalの脆弱性について、悪用の報告はまだないと伝えています。ただし、Criticalは深刻度が最も高い区分なので、更新は早めに済ませておくのが安心です(これは筆者の考えです)。
Web制作・開発の面では、次のような影響が考えられます。
- JPEG XLの画像を、Chromeで表示できるようになります。ただし、ほかのブラウザーの対応状況は別に確認が必要です。画像を置き換える場合は、代替の形式も用意しておくのが無難です。
- WebCryptoの耐量子暗号は、自分のアプリで暗号処理を扱う開発者向けの変更です。通常のサイトの表示には直接関係しません。
- CSSの新しい機能は、すぐに本番サイトで使えるとは限りません。利用者のブラウザーの対応状況を確認してから使います。
確認すること
- Chromeを最新版に更新する。通常は自動で更新されますが、手動では「chrome://settings/help」を開くと更新できます。適用には再起動が必要です。
- 社内で端末のブラウザーを管理している場合は、バージョンが155系に上がっているかを確認する。
- 自分のサイトを、Chrome 155で表示確認する。とくにPWAや、CSSの新機能を使っている場合は、見た目や動作が崩れていないかを見ます。
- 詳細を確認したい場合は、Googleの「Chrome Releases」ブログと、Chrome Platform Statusのリリースノートを開く。
筆者の見解
私見では、247件という数字そのものより、自分の端末が更新済みかどうかのほうが、実務では大切だと考えます。Chromeは自動更新が前提のため、個人利用では、多くの場合、自動で追いつきます。注意したいのは、更新を止めている、あるいは再起動を先送りしている端末です。再起動が済むまでは、更新がダウンロードされていても、新しい版では動いていません。
また、AI支援で報告された脆弱性が14件含まれているという報道は、発見の方法が変わりつつある可能性を感じさせます。14件という数字だけで傾向は断定できませんが、更新の頻度が今後も高いままである可能性を考えて、ブラウザーの更新を日常の習慣に組み込んでおくのが現実的だと思います。
出典(一次情報)
- 「Google Chrome 155」が公開 ~247件もの脆弱性を修正、「Critical」は4件(窓の杜、2026年10月7日)
- 「Chrome 155」公開 – 「クリティカル」4件含む247件を修正(Security NEXT、2026年10月7日)
2026年10月8日時点の情報です。
