Edge 155が公開、unloadイベントは全ページで既定停止に

Edge 155が公開、unloadイベントは全ページで既定停止に ニュース

Microsoft Edge 155が、2026年10月8日に安定版として公開されました(バージョン155.0.4283.45)。公式リリースノートによると、今回の更新の注目点は、Webの「unloadイベント」が既定で実行されなくなる対象が、全ページ読み込みの100%に達したこと、タブ整理の強化、リアルタイム動画翻訳の終了、そしてWindows版のサインイン方式の移行予告です。Web制作者にとって、最も影響が大きいのはunloadイベントです。

ニュースの概要

Microsoftの「Microsoft Edge release notes for Stable Channel」には、Edge 155の安定版がバージョン155.0.4283.45として2026年10月8日付で載っています。Extended Stable(延長安定版)は152系で、152.0.4191.122が同日に公開されています。

窓の杜は、Edge 155でJPEG XL形式の画像のデコードに対応したと伝えています。ただし、公式の安定版リリースノートとWebプラットフォームのリリースノートのどちらにも記載がなく、公式情報では確認できませんでした。この記事では、公式リリースノートで確認できた内容を中心に整理します。

何が変わるのか

unloadイベントが、すべてのページ読み込みで、既定では実行されなくなる

リリースノートは、unloadイベントの扱いの変更を次のように説明しています。ページはサイトが明示的に許可しない限り、unloadイベントのハンドラーを実行しなくなります。段階的な展開は、Edge 152と153で読み込みの60%、154で80%、155で100%です。

Microsoftは、unloadイベントはデータの保存、後片付け、セッション終了の報告に使う手段として信頼できないと述べています。ブラウザーやOSはページを一時停止したり終了したりするときに、このイベントを発火しないことがあります。また、unloadハンドラーがあると、戻る・進むの高速化に使うバックフォワードキャッシュが使えなくなる場合があります。Web開発者には、そのための用途に設計されたライフサイクルイベントやAPIへの移行が勧められています。

タブ整理の強化

タブとワークスペースの整理機能が拡張され、グループ分けに加えて、名前、ビジュアル、ラベルの提案が行われます。ユーザーは edge://settings/privacy/services の「Let Microsoft Edge help keep your tabs organized」の設定で管理でき、管理者はグループポリシーのTabServicesEnabledで制御できます。

リアルタイム動画翻訳の終了

リアルタイム動画翻訳は終了しました。LiveVideoTranslationEnabledポリシーは、今後の更新で非推奨になる予定です。

管理者向けの変更

  • LocalNetworkAccessRestrictionsTemporaryOptOutポリシーの削除時期が、削除予定が、バージョン156の後から163の後に変更されました。
  • OneAuthAuthenticationEnforcedポリシーが非推奨になりました。
  • Microsoft 365 Copilot Chatの許可・拒否リストを使っている組織は、Copilot URLのリダイレクトの前に、許可リストを *.cloud.microsoft に更新するよう案内されています(詳細はMicrosoft 365管理センターのMC1462915)。
  • 推奨の既定検索プロバイダーポリシーで設定した検索エンジンが、しばらく動作すると無効になり、アドレスバー検索が動かなくなる問題が修正されました。

Windows版サインインの移行予告

EdgeはWindowsで使っている従来の「direct-WAM」サインイン実装を、バージョン157で終了し、OneAuthへの移行を完了させる予定です。OneAuthも内部ではWindowsのWeb Account Manager(WAM)を使い、WAM自体が非推奨になるわけではないと説明されています。ほとんどのユーザーは自動で移行済みで、まだの場合は157への更新で完了します。まれに、Edgeへのサインインをやり直す必要が出る場合があります。

読者への影響

Web制作・開発の立場でまず確認したいのは、自分が作るサイトのJavaScriptに、unloadイベントを使っているコードがないかどうかです。ページを離れる直前にアクセス解析のデータを送ったり、入力途中のデータを保存したりする処理を、unloadに書いている古いスクリプトは少なくありません。こうした処理は、公式も、ブラウザーやOSがunloadを発火させずにページを止めることがあると説明しています。そのうえで、Edgeでは既定で動かない対象がすべてのページ読み込みに広がったことになります。

サイトが明示的にunloadを許可する方法は、リリースノートでは「Permissions Policy」と書かれています。ただし、unloadの使用はバックフォワードキャッシュを妨げる原因にもなるため、許可で延命するよりも、代替の仕組みへ移すほうが望ましいと考えられます。

企業の管理者は、タブ整理のAI機能を社内ポリシーとして許可するか、TabServicesEnabledで決める必要があります。また、Windowsの端末管理では、157へ向けたサインインの確認が必要です。

確認すること

  1. 自社サイトのJavaScriptで、unload イベントを使っている箇所を検索する(サードパーティのタグも含める)。
  2. ページ離脱時の送信やデータ保存は、(公式の記載外の一般的な方法として)pagehide や visibilitychange などのイベントと、navigator.sendBeacon のような方法に置き換えられないかを検討する。
  3. Edgeで戻る・進むが遅くなっていないか、DevToolsでバックフォワードキャッシュの状態を見る。
  4. 管理者は、edge://signin-internals の Edge Auth Library Information で、管理下のプロファイルがWAMのままになっていないかを確認する。
  5. Copilot Chatの許可リストを使っている場合は、MC1462915の内容を確認する。
  6. JPEG XL対応は、公式のWebプラットフォームのリリースノートに現時点で記載がない。利用前に最新の記載を確かめる。

筆者の見解

私見では、今回の更新で一番見過ごされやすいのは、unloadイベントの話だと考えます。派手な新機能と違って、何も壊れた表示が出ないまま、離脱時の計測だけが静かに欠けていく性質のものだからです。展開途中は一部の読み込みだけで動かず、原因を切り分けにくい状態でしたが、100%になってEdgeの挙動はそろいました。とはいえ、離脱時の処理をunloadに頼る設計自体を見直す時期だと思います。

タブ整理の提案機能は、便利な半面、提案のためにどの情報が使われるかを確認したい組織もあるでしょう。設定とポリシーで制御できる点は、管理者にとって判断しやすい材料です。まずは試験的な端末で挙動を確かめてから、全体への方針を決めるのが無難だと思います。

出典(一次情報)

2026年10月10日時点の情報です。

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