エンジニアの仕事は、納期前の長時間労働や、障害対応での深夜・休日の呼び出しが起きやすく、「IT業界はこんなものだ」と我慢してしまいがちです。ただし、忙しさの中には、仕組みとして働く人に負担を押しつけている職場もあります。
このページでは、IT業界でブラックな職場を見分けるためのポイントを、法律の基準とあわせてまとめます。
この記事の目次
IT業界で負担が偏りやすい仕組み
多重下請け
元請けから二次請け、三次請けへと仕事が流れる構造では、下の階層ほど単価が低く、納期のしわ寄せを受けやすくなります。何次請けなのか、自分の作業の単価がいくらなのかを説明してもらえない会社は、評価や給料の根拠も不透明になりがちです。
客先常駐(SES・派遣)
客先常駐そのものは問題ではありませんが、準委任契約なのに客先から直接指示を受けている場合は、偽装請負のおそれがあります。SESの見極め方と辞め方はSESを辞めたいときの判断と辞め方にまとめています。
チェックしたい7つのポイント
- 残業時間:時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間。特別条項があっても単月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内
- 固定残業代(みなし残業):何時間分でいくらか、超えた分を払っているかが明示されているか
- 裁量労働制の対象業務:専門業務型裁量労働制の対象は「情報処理システムの分析または設計の業務」など。プログラミングだけを担当する人は対象外とされている
- 裁量労働制の同意:2024年4月から、専門業務型でも本人の同意が必要になり、同意しなかったことを理由に不利益な扱いをしてはならない
- 障害対応・オンコール:呼び出し待機の扱い、深夜・休日の対応に手当や代休があるか
- 教育・案件の選択:研修や学習の時間がある、希望する技術の案件に移れる仕組みがあるか
- 離職率と求人:同じ職種の求人が一年中出ている、入社数年で同期の多くが辞めている
裁量労働制の「定額働かせ放題」に注意
裁量労働制は、実際の労働時間に関係なく、労使で決めた時間を働いたものとみなす制度です。対象業務に当たらない人に適用したり、業務の進め方や時間配分に裁量がないのに適用したりすることはできません。毎朝の出社時刻や作業の手順を細かく指示されているのに「裁量労働制だから残業代はない」と言われている場合は、制度の使い方に問題がある可能性があります。
面接・求人で確認する質問
- 「直近のプロジェクトの平均残業時間はどのくらいですか」
- 「担当する工程と、案件の決め方を教えてください」
- 「商流(何次請けか)は、どのくらいの案件が多いですか」
- 「障害対応の体制と、夜間・休日の対応の扱いはどうなっていますか」
答えがあいまいな会社は、入社後も情報が出てこない可能性があります。
当てはまったときは
勤怠の記録、チャットやメールの送信時刻など、労働時間が分かる記録を残しておきましょう。未払いの残業代は、退職後でも当分の間3年までさかのぼって請求できます。
辞めると伝えても引き止められる、プロジェクトを理由に辞めさせてもらえないといった場合は、退職代行サービスを使う方法もあります。
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退職代行サービス
- 退職代行SARABA:運営元は労働組合(公式サイトの表記)。退職日や有給休暇の消化などを会社と交渉できる。料金は税込24,000円で、追加料金なし(公式サイトの表示)
- 弁護士法人みやびの退職代行:運営元は弁護士。交渉に加えて、未払い残業代の請求や損害賠償を求められたときの対応も任せられる。料金は税込27,500円から(コースにより77,000円まで。残業代などの回収は回収額の20%+税)
料金と対応範囲は2026年10月27日時点の公式サイトの表示です。申し込む前に公式サイトで確認してください。
くわしく比べたい人へ:退職代行の料金明細(SARABAの総額・保証・運営形態)
ブラック企業の一般的な特徴と、働き続けるリスクは、姉妹サイトの「転職・キャリア用語辞典」でまとめています(ブラック企業の特徴と見分け方)。
まとめ
- 多重下請けや客先常駐は、単価や評価が不透明になり、負担が偏りやすい
- 残業の上限、固定残業代の明示、裁量労働制の対象業務と同意を確かめる
- 面接では、残業時間・商流・案件の決め方・障害対応の扱いを質問する
- 当てはまるなら記録を残し、転職や退職代行で抜け出すことを考える

