SESを辞めたいときの判断と辞め方|プロジェクトの途中でも退職できる?

SES(システムエンジニアリングサービス)で客先に常駐していると、「自分の会社の人とほとんど話さない」「何年たっても運用・テストばかり」「単価がいくらで、自分の給料がいくらなのか分からない」といった不満を抱えやすくなります。辞めたいと思っても、プロジェクトの途中だから、客先に迷惑がかかるから、と動けない人も多いはずです。

このページでは、SESの仕組みを押さえたうえで、辞めた方がいいサインと、プロジェクトの途中でも辞められる理由、辞め方をまとめます。

SESの契約の仕組み

SESは、多くの場合「準委任契約」という形で、エンジニアの作業(労務の提供)を客先に提供する契約です。

  • あなたが雇用契約を結んでいるのは、SES企業(自社)
  • 客先と契約しているのは、SES企業(またはその上の会社)
  • 準委任契約では、作業の指示・命令は本来、自社が行う

客先の社員から直接、作業の指示や勤怠の管理を受けている場合は、実態として労働者派遣に当たり、「偽装請負」として問題になる可能性があります。

SESを辞めた方がいいサイン

  • 2〜3年たっても、テスト・監視・保守など同じ工程から抜けられず、開発経験が増えない
  • 案件を選べず、希望を伝えても通らない
  • 待機期間に給料が減らされる、または待機が続く
  • 何次請けなのか、単価がいくらかを説明してもらえない
  • 客先から直接指示を受け、残業も客先の都合で決まっている
  • 自社の上司が自分の仕事を把握しておらず、評価の根拠がない

SESでも、案件の選択肢が多い、単価と給料の関係を開示している、上流工程に移れる道がある会社もあります。上の項目に多く当てはまるなら、会社を変えることを考えてよい段階です。

プロジェクトの途中でも退職できる

あなたの雇用契約は自社との間のもので、客先との契約は会社どうしの契約です。期間の定めのない雇用なら、民法第627条により、退職の申入れから2週間で雇用契約は終わります。プロジェクトの途中であることは、法律上、退職を止める理由にはなりません。

客先への説明や後任の手配は、自社の営業や上司の仕事です。とはいえ、現場の引き継ぎをきちんと行っておくと、退職までの期間を気持ちよく過ごしやすくなります。

角を立てない辞め方

  1. 退職日を決める:就業規則の申出期限と、客先との契約の更新タイミング(月末が多い)を確認し、それに合わせると調整がスムーズ
  2. まず自社の上司・営業担当に伝える:客先の人に先に話すのは避ける
  3. 引き継ぎ資料を作る:担当していた作業の手順、環境、未完了のタスク
  4. 貸与品を返す:客先と自社、それぞれから借りているものを確認する

「次の案件が決まっているから」「単価が下がるから」と強く引き止められる、退職を伝えても話を進めてもらえないといった場合は、退職代行サービスを使って退職の意思を伝える方法もあります。会社と退職日などを交渉する必要があるなら、労働組合か弁護士が運営するサービスを選びましょう。

※ここで紹介する退職代行サービスはアフィリエイト広告(PR)です。

退職代行サービス

  • 退職代行SARABA:運営元は労働組合(公式サイトの表記)。退職日や有給休暇の消化などを会社と交渉できる。料金は税込24,000円で、追加料金なし(公式サイトの表示)
  • 弁護士法人みやびの退職代行:運営元は弁護士。交渉に加えて、未払い残業代の請求や損害賠償を求められたときの対応も任せられる。料金は税込27,500円から(コースにより77,000円まで。残業代などの回収は回収額の20%+税)

料金と対応範囲は2026年10月27日時点の公式サイトの表示です。申し込む前に公式サイトで確認してください。

くわしく比べたい人へ:退職代行の料金明細(SARABAの総額・保証・運営形態)

次のキャリアの選び方

  • 自社開発・受託開発の企業:設計から携われる環境を選ぶ
  • 社内SE:自社のシステムを長く担当し、業務に近い立場で働く
  • SESでも条件のよい会社:案件を選べる、単価と給料の関係が開示されている会社へ移る

IT人材の不足はIPAの調査などでも続いており、経験の棚卸しができれば、SESの経験も評価されます。転職活動では、担当した工程、使った言語・ツール、規模、自分が工夫した点を具体的に書き出しておきましょう。IT業界でブラックな職場を避ける見分け方はIT業界のブラックな職場の見分け方にまとめています。

辞めたいのに辞められないときの気持ちの整理や、退職を言い出す方法は、姉妹サイトの「転職・キャリア用語辞典」で説明しています(退職を言い出せないときの切り出し方)。

まとめ

  • SESは多くが準委任契約で、指示・命令は本来自社が行う。客先から直接指示されるのは偽装請負のおそれがある
  • 同じ工程から抜けられない、案件を選べない、単価や評価が不透明なら、会社を変えることを考えてよい
  • 雇用契約は自社とのものなので、プロジェクトの途中でも申入れから2週間で辞められる
  • 引き止めが強いなら、交渉ができる退職代行を使う方法もある

出典(一次情報)

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