あなたは、日中韓関係の政治ネタをテーマにした動画をアップするユーチューバーKAZUYA氏を知っていますか?
いわゆる愛国保守・右翼ユーチューバーでその界隈でのアイドル的存在です。そして、愛国ビジネスで最も成功している人物と言っても良いぐらいの人気を誇ります。好き嫌い、良し悪しは別としてとにかくカリスマ性があるんですよね。
今回はそんなKAZUYA氏をマーケティングの観点で分析してみました。
まずは、マーケティングの3M(マーケット、メディア、メッセージ)に当てはめて考えてみます。その前に3Mについての簡単に説明をします。
この記事の目次
マーケティングの3Mとは?
マーケティングには必要不可欠な3つの要素が存在します。
マーケット
マーケットとは分かり易く言うと「顧客」のことです。
どんな顧客、どんなユーザー層をターゲットにビジネスを行うか、ということです。
メディア
ビジネスを宣伝するメディアはどこか?ということです。
たとえば、雑誌、テレビ、新聞、ラジオ、ティッシュ、宣伝車などなど色々あります。
メッセージ
顧客に対してどんなメッセージを送るかということです。
顧客の属性によって適切なメッセージは全く異なります、例えば、ビジネスマンが対象であれば堅めのメッセージが刺さるでしょうし、小さな子供が対象であれば子供が親しみやすいメッセージにする必要があります。
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これらはマーケティングの基本中の基本ですが、意外と出来ていない人が多いのでしっかり学びましょう(特にアフィリエイターにはこういう基本を知らない人が多いですね)。
この知識は、今なら無料で配布されている書籍『ダン・S・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門』で学べるので興味がある方は読んでみてください。
KAZUYA氏の戦略をマーケティングの3Mに当てはめてみる
マーケット
KAZUYA氏が狙うユーザー層は、10代、20代のカジュアルな保守・右翼であったり、ネトウヨ(ネット右翼)、嫌韓派といった人達です。硬派な保守・右翼は対象に入っていないと思われます。その理由は3Mの「メッセージ」で明かします。
メディア
KAZUYA氏はユーチューバーなのでYoutubeが拠点でしたが、とある問題(後述します)があって、現在はニコニコ動画に力を入れている模様です。
メッセージ
KAZUYA氏の動画の作り方、言い回し、扱う話題、小ネタなどは、10代20代の学生や社会人、ニコ動のヘビーユーザーやオタクが好みそうな内容になっています。
硬派な保守・右翼が聞けば首をかしげる内容なので、こういった人は対象に入っていないはずです。
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ご覧のように3Mをきちんと満たしていますね。内容の良し悪しはさておき、マーケティング基本をきちんと実践出来ているので、30万人もの(顧客)ファンを獲得することに成功したのだと思います(もちろんカリスマ性もありますが)。
リスト(顧客)の教育と収益化
長期的に安定したビジネスを行う為にはリストの収集と育成が欠かせません。
特に、リストの収集はなかなか難度が高いんですよね。「リストの収集=ファンの獲得」ですから、『魅力』が無ければリストは増えていきませんからね。その点、KAZUYA氏は30万人ものファンを獲得しているわけですから恐れ入ります。
リストの教育についても成功していると思われます。ネトウヨや嫌韓派が好む嫌韓・嫌中ネタ、左翼叩きネタを毎日無料で提供していますからね。
そして収益化について。リストの教育に成功したこともあり、KAZUYA氏の著書もバカ売れしているようです。Amazonでは結構頻繁に品切れになっているようです。
今後は本を出版すれば一定数の教育されたリストが購入してくれるはずなので、当面は安定収入が期待できるのではないかと思います。
1人から好かれたければ、10人から嫌われろ
1人から好かれたければ、10人から嫌われろ
マーケティング界ではこのような言葉を多くの人が言っています。
KAZUYA氏はネトウヨを扇動しているので、30万人から好かれていても、300万人から嫌われているでしょう(そこまで知名度があるかは分かりませんが)。でもビジネスやる上ではこうあるべきなんですよね。
八方美人では主張が弱くなりファンが付かず利益に結びつかないのです。
基本的にビジネスをやる上ではどちらかに振り切れて極端なぐらいなほうが成功します。極端であるほど熱心なファンが付き、確実にお金を使ってくれるからです。ただ、行き過ぎるとコアなファンしか付いていけなくなるので、加減を見極めるのも重要です。
でも、KAZUYA氏のリストは弱い
KAZUYA氏がYoutubeやニコニコ動画で獲得したリストは、一般的なビジネスで言われるリストよりもだいぶ質が劣ります。
リストとは本来「見込み客」のことであり、商品の購買意欲が特に強い人のことなんですよね。
しかし、KAZUYA氏のリストはネトウヨや嫌韓派が多く、商品が欲しいのではなく単純に韓国や中国の批判がしたいだけの人が多くを占めているのです。なので、リストの規模に対しての収益はかなり少ないと考えられます。
KAZUYA氏は失敗した!?マーケット(顧客)選びの重要性
マーケット選びは収益のボリュームを決定付ける重要な要素です。
例えば、10万人規模のマーケットと100人規模のマーケットでは商品が売れる量が全然違いますよね。この例だと、単純に1万倍差が出ます。もちろん、マーケット選びの指標は数だけではなく質も重要なので、1人当たりから得られる利益が大きければビジネスは成り立ちます。
また、別の側面でのマーケット選びも考慮する必要があります。
それは、モラルやマナーです。
ネトウヨや一部の嫌韓派は社会問題になるくらいモラルやマナーの欠けた行動をするわけです。
KAZUYA氏はそういう層に対してビジネスをし続けた結果、Youtubeによって過去に投稿した膨大な数の動画から広告が外され利益を得ることが出来なくなりました(そのため今はニコニコに力を入れてるらしいです)。
ビジネスは人の役に立つ、人が喜ぶものであるべき
やっぱ、ネトウヨや嫌韓派を煽るビジネスはすべきではないと思うんですよね。煽ればネトウヨ達が人種差別をするわけですから。誰かを傷つけることで成り立つビジネスを認めてはなりません。
KAZUYA氏はスキルもカリスマ性もあるので、もっと人の役に立つ、人が喜ぶことで儲けた方が、KAZUYA氏自身の為にもなると思うんですよね。 今のようなビジネスを続ければ、いずれ社会から干されて肩身の狭い思いをしながら生活していかなくてはならなくなると思います。
なお、KAZUYA氏のカリスマ性のある話術は、多くのセールスマンやコピーライターがバイブルとする『影響力の武器』で学んだそうです。文章ビッシリで個人的にはちょっと読み難いと思ったのですが、書かれていることは発見の連続だったのでオススメですよ。
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